メルマガ第2号

2009 年 6 月 24 日 admin

川崎在日コリアン生活文化資料館メルマガ第2号
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 川崎在日コリアン生活文化資料館 メールマガジン 第2号
 2006年9月9日(土) 発行:資料館運営委員会メルマガ担当

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「川崎在日コリアン生活文化資料館」が2006年4月に開設されました。資料館の主役であるハルモニやハラボヂたちと、資料館をオンラインで訪れる人、資料館づくりを支える人びととをつなぐコミュニケーションの手段として、メールマガジンを発行することにしました。

《第2号内容》
 1.ハルモニ、ハラボヂの近況と交流レポート
 ・全国外国人教育問題研究会
 2.みんなの声
 ・特集=在日高齢者夏の集中聞き書き参加者の感想文 
 3.ふれあい館高齢者事業行事案内
 ・9/30 トラヂの会 宋神道さんの映画を見る会
□■□ 1.ハルモニ、ハラボヂの近況と交流レポート □■□

<全国外国人教育問題研究会にハルモニが「出演」>                        
 8月20日(日)、全外教の全体会の舞台にトラヂ会のハルモニと桜本小学校の子どもたちがたちました。在日する外国人の抱える教育問題を歴史的に捉え、それをいろいろな表現形式で提起するという大きなテーマの中の初期の部分を担当してほしいとの要請を受けたからです。 これに対し、私たちは、実際に7月13日「ハルモニといっしょにチヂミを焼いて食べる」、7月20日「ハルモニのお話を聞く」というテーマで行った、桜本小学校6年生とトラヂ会のハルモニたちとの交流の様子を発表するというやりかたで応えることにしました。
 特に、「ハルモニのお話を聞く」に重点を置き、ハルモニたちが渡日した理由は何で、その後どんな厳しい条件の中で今日まで暮らしてきたかを
明らかにし、そのことを知った子どもたちがそのことをどのように受け止めたかを発表するという構成にしました。当日は、子どもたちが司会をし、7月20日の交流を再現するかたちで、ハルモニが短い「自分史」を語り、子どもの一人が自分の書いた感想文を読み、その後、ハルモニから教わった韓国語の歌「コヒャンエポム(故郷の春)」をみんなで歌って終わりにしました。 この発表が、主催者側の要請に充分に応え得たものであったか否かの判断は置くとして、ハルモニたちにこのような機会を与えられた意味はたいへん大きかったと思います。

 2006年に入って、ハルモニたちは「花はんめ」上映会の席に、あるいは小学校の国際理解教育の場などに招かれて、「自分史」を少しずつ語るようになりました。その活動に関わり、この間、ハルモニたちが誠実に「語る」という行為に向き合っていくことによって変貌していくさまに接し、多くのことを教えられています。 もちろん、これまで人前で自分のことなど話した経験のないハルモニたちは、緊張して想うことの半分も話せないと嘆き、ある人は本番になると練習のときの内容とは全く違って、「苦労は親がしたことで私らはたいしたこともなかった」「別にいじめられたこともなくて今は幸せにしてます」という内容になったりして、「あらら」と思うこともありました。苦労の話などいまさら他人様に聞かせることもない、貧乏話など恥ずかしいと思ってのことであるのはよく分かるので驚くことはありませんが。
 そんなハルモニたちが、回を重ねるごとに、話しかたにも自信がでてき、内容も変えて話すようになったのです。「苦労は親の世代」と言っていた人が、次には「苦労したことを思い出すのはつらくて」になり、さらにその次には自分の本当につらかった部分に触れて話すというように変わっていったのです。長い人生のどの場面を語るか、場面の選択や変更を考えるハルモニもでてきました。
 こうした変化を彼女たちにもたらした力はなんであるか。それは、一にも二にも聞き手の耳の傾け方であり、受け止め方なのです。どこの場でもハルモニたちは、「私のこんなつまらない話を真剣に聞いてくれた」「こんな話でもよかったみたい」という満足感を与えられ、つらくても真実を掘り下げて話すことがどれほど人の心に響くかを肌で感じているのです。なんでも自由に手に入り、苦労など知らないと思った小学生までもが、しっかり自分たちの話を受け止めていると分かる感想文を寄せてくれると、一層その気持は強くなります。
 全体会で自分の感想文を読んだ桜小の子どもは、「私は障害者です。それだけのことでキモイと言われます。でもハルモニたちがひどい差別を受けたという話を聞いて励まされました」と臆することなく、しっかりした態度でした。彼女はハルモニから力をもらったといい、ハルモニたちはこんなに強い子もいるんだと感心するのです。
 「語り継ぐ」という作業は、語る者と聞く者との共同作業であり、もっといえば聞き手の力にこそ負うところが多いと、『平和は“退屈”ですか~元ひめゆり学徒と若者たちの500日』(下嶋哲朗)に繰り返し述べられていますが、実感です。
 やっと語り始めたハルモニたち。まずは、彼女たちの心に眠っている様々な想いを引き出すためには、聞き手である私たちが、彼女たちの背負っている歴史や現実について多く学び、そのことを自らの心に取り込みながらハルモニたちと向き合う必要があると気づかされています。 ハルモニたちから発せられるメッセージはまだまだたくさんあります。また、そのことをみなさんと共有したいと思います。

 最後に、全外教の場で、神奈川県下に住む中学、高校世代の外国からの若者たちが提示した教育の問題は、知らない・知らなかったではすまさ
れない問題ばかりであってことを、報告します。
     (レポーター 鈴木 宏子さん)
□■□ 2.みんなの声 □■□
     
特集○8月4日-5日の在日高齢者夏の集中聞き書き参加者からの感想文

その1 
<川崎在日コリアン生活文化資料館聞き取り初日を終えて>
          harusoraさん最も印象的だったのは、テープをとめて、ありがとうございましたといった直後、「ドロボーと人殺し以外はなんでもやったよ。」とハルモニが語り出し、この上ない語りのまとめをしてくれたことだった。ハルモニのまとめの語りは、力強くて圧倒された。次に印象的だったのは、気丈なハルモニが、何度もあふれる涙をハンカチでぬぐっていたことだった。数え年、84才、このハルモニとは、10年ほど前、識字学級で出会い、5~6年前までトラヂで時折一緒になったが、それ以来ずっと会っていなかった。にもかかわらず、私を覚えていてくれて、ハルモニから、「久しぶりだね。」と声をかけてくれた。「時々会いに来てよ」といわれて、嬉しかった。顔見知りのハルモニが聞き取りのお相手になったのは、偶然だ。この偶然に感謝し、初日の興奮を感想文にしたためる。

その2 <聞き取りに参加して>
         増田みつ枝さんS・H*さんは、81才でも2才の時に日本に来ているので、日本語でまったく問題がない。むしろ韓国語は家庭で使い、母親に無理やり文字を教えられたが自信がないという。韓国の地名もすべて日本で言われて驚ろいた。日本人の中で暮らし、着物を着るのにも抵抗がなかったという。当時の日本人の苦労と変わらないと繰り返しながらも、父母と弟妹が結婚した徐さんと姉を残して韓国に帰る船を見送った話の時は、目がうるんで私も胸がつまった。
川崎に来たのは6年前という。長く関西のに住んで、川崎に来る前は息子のいる北海道でも何年か暮らしたという。その後、娘の近くの関東でも三浦、そして川崎と、老後になってからあちこち住まいを変えるたくましさには感心した。いろいろ事情があるとは思うが、住み着いた先での適応力には驚ろかされた。百人一首を学んで、17歳くらいで独学で韓国の歴史を学んだという。今までの在日一世のイメージとは、自分の運命をなげくようなイメージがあったが、いろんな人生、生き方をあらためて知り、さらに多くのハルモニ、ハラボジの話を聞いてみたいと感じた。
その3 <人間は人を信じるもの>
      おおこし たかこさん私たちは学校教育で沢山の知識を学んだが、ハルモニのお話にはご本人が意図されているわけではないが、確固たる人生哲学がある。それが生活にしっかりと密着した飾らないことばで語られるとき、人の心を大きく動かす教えとして、輝やく瞬間がある。 読み書きができれば人に騙されなかったのではないかという私の心配をよそに、人に騙され、苦労ばかりしてきたと話したハルモニが、「人間は人を信じなきゃ仕方がないでしょう」と、きっぱりと笑いながらおっしゃった。わたしはガツンと不意打ちを喰らった気がした。 驚きとともに、自分の浅はかな思い上がりと、全てを乗り越えて来たハルモニの逞しい生き様に思わず涙が出そうだった。どんなに人に騙されようと、人は人を信じる気持ちを失っちゃ駄目!これが今回のわたしが一番心打たれたことです。 K・I*ハルモニ、人はいつかは死ぬから、いいことして死にたいとおっしゃいました。もっと、もっと長生きして、私たちにいいこと沢山教えてくださいね!

その4 <集中聞き書き事業に参加して>
        m.kさん
私は8月4日の聞き書きに参加をさせていただきました。2時間というわずかな時間にも関わらず、聞かせていただいたお話は私の心にずっしりと重く、今も残っています。私が聞かせていただいた話は出生してから今現在にいたるまで、多くの内容を場面ごとにまとめてくださったものでした。(どこまでご本人から聞いたプライベートなことを載せていいかわからないので、この感想では抽象的なことしか残しませんが)日本に来て、学校に入って、結婚して、子育てをして・・・。こういった言葉を聞き私達が自分の頭で想像するものとはまったく別の、別世界のできごと、生き方を話してくださいました。何をするにも全力で、体当たりの人生。聞いていてそんな思いが頭から離れませんでした。それも自分で望んだ「体当たり」ではなく、体当たりしてぶつかってこなければならなかった人生というふうな。目の前にいた高齢者の方が「日本人だってああいう時代だもの。苦労しているわよ。」とおっしゃっていました。そんなふうに言えることがすごいなと、心底思いました。正直なところ、話の内容を重く感じ、受け止めるパワーが自分には足りない気がしました。でも落ち着いた様子でたんたんと過去のできごとを語って下さる高齢者の方の目に、私には想像もつかない世界が映っていたことを思い知らされ、きちんと受け止めてあげたいという思いが最後まで消えることはありませんでした。話を聞いてあげるだけで、そんなことで過去の痛みや苦労を受け止めるなんてできるわけがありません。でも、その場にいた私にはそうしてあげることしか、できませんでした。人種の問題って、なんだろう。戦争ってなんだろう。同じ人間なのに、生まれた場所、言葉、文化の違いでどうして悲しむ人々が生まれてしまうのだろうということを、考えさせられます。
 「過去を振り返ってばかりでは前に進めない」。この言葉も一理あると思いますが、在日高齢者の方々の過去を受け止めることが、過去の教訓から現在を引き継ぎ生きている私たちの責任ではないかと思います。物にあふれ、可能性と自由にあふれた今現在を作りあげることができたのは、過去あってのもの。現在を受け止め、過去を受け止めて初めて新しい未来を作り出すことができるのではないかと、聞き書きに参加して思いました。在日高齢者の存在は私たちに必要不可欠な、いろいろなことを教えてくれる大切な存在です。私は今この時代に生きながらも、このような方々と出会い、交流できたことを嬉しく思います。貴重なお話を長時間にわたってしてくださった高齢者の方に、心から感謝しています。本当にありがとうございました。

*語り手の個人名はイニシャルに加工しました(メルマガ管理人)。
◇聞き書きの感想文は次号以降も順次ご紹介していきます。
□■□ 3.ふれあい館高齢者事業の行事案内 □■□

○トラヂの会 宋神道さんの映画を見る会
9月30日(土)午後1時半~  桜本まちなか交流センターにて
参加費:500円  誰でも参加できます。
日本軍性奴隷問題の被害者としてただ一人在日の原告となり、10余年の裁判を闘った宋神道(そん・しんど)さんのドキュメンタリー そのほかの高齢者事業には下記のものがあります▽http://www.seikyu-sha.com/fureaikan/kandayori/200609/fureaikan-yotei09.htm

□■管理人より■□ 
暑かった夏が終わりつつあります。
第2号はいかがでしたか。
近況&交流レポートは本数が多いため全体的に盛りだくさんで、内容も余韻の残る充実したものとなったように思います。資料館サイト充実のため、ご意見メールや情報提供をお待ちします! お送りいただく文面・お名前をメルマガ上で公開してほしくない場合は、その旨明記してください。
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