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 川崎在日コリアン生活文化資料館メールマガジン 総集編
 発行:資料館運営委員会メルマガ担当

 第1号 2006年8月16日(水)
 第2号 2006年9月9日(土)
 第3号 2006年10月3日(火)
 第4号 2006年11月9日(木)
 第5号 2006年12月11日(月)

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2006年4月、「川崎在日コリアン生活文化資料館」が開設されました。
これにともない、資料館の主役であるハルモニやハラボヂたちと、資料館をオンラインで訪れる人、資料館づくりを支える人びととをつなぐコミュニケーションの手段として、メールマガジンを発行しています。

《内容》
 1.メルマガ発行のごあいさつ
 2.メルマガ発行の方針について
 3.ハルモニ、ハラボヂの近況と交流レポート
 4.みんなの声
5.資料館ニュース


□■□ メルマガ発行のごあいさつ □■□

<ふれあい館館長 「重度>
歴史の真実はときとして時代史における周辺の生活史のなかに見出すことができます。
川崎に在住してきた在日コリアン高齢者の語りはまさに時代の証言であります。生き抜いてきたその歩みに多くの学びや気づきがあります。それらを共有しながら多民族共生のありようを模索し構築するために、生活点から時代をふりかえりながら日々の生活を積み重ねて新しき時代を創造したいと思います。そのための情報と知恵の交換をこのメルマガをとおして豊かなものにすることができれば幸いです。
(第1号)


□■□ メルマガ発行の方針について □■□

○対象者
川崎在日コリアン生活文化資料館(下記URL、以下「資料館サイト」)のメルマガ購読登録画面で登録手続きをした方、および、メルマガ管理人(本メール末尾参照)に直接購読申し込みをした方。
http://www.halmoni-haraboji.net/mailmagazine/halmag.html
○目的
このメルマガは資料館サイトに付設するものし、次のことを目指します。
・購読者のみなさんの声を集め紹介することにより、参加者が意見交換し、ともに学び、そこで得られた何かを共有し、さらに新たな情報発信をする多方向的交流のきっかけを作って、草の根的に資料館サイトを盛り上げること。
・資料館サイトよりも少しこまめに関連情報をお知らせし、関心を寄せる方々の役に立つこと。
(第1号)


□■□ ハルモニ、ハラボヂの近況と交流レポート □■□

8月4日・5日の2日間、まちなか交流センターで「在日一世の声に学ぶ夏の集中聞き書き事業」を行いました。両日で、語り手のハルモニまたはハラボヂがのべ35名、聞き取りボランティアのべ80名が参加し、たいへん盛会となりました。
この来年度以降もこうした聞き書き事業を継続して、世代間・参加者相互の交流と、資料館サイトのさらなる内容の充実を図りたいですね。
(第1号)

8月9日は納涼トラヂ会でした。台風接近のため、予定していたミニ屋台などは残念ながらできませんでしたが、おいしい肉のスープやトッポギ(辛く味付けした餅)を大勢で一緒に食べて、花火などを楽しみました。
聞き書き参加者もここでさっそく再会することができました。
(第1号)


<全国外国人教育問題研究会にハルモニが「出演」>
 8月20日(日)、全外教の全体会の舞台にトラヂ会のハルモニと桜本小学校の子どもたちがたちました。在日する外国人の抱える教育問題を歴史的に捉え、それをいろいろな表現形式で提起するという大きなテーマの中の初期の部分を担当してほしいとの要請を受けたからです。
 これに対し、私たちは、実際に7月13日「ハルモニといっしょにチヂミを焼いて食べる」、7月20日「ハルモニのお話を聞く」というテーマで行った、桜本小学校6年生とトラヂ会のハルモニたちとの交流の様子を発表するというやりかたで応えることにしました。
 特に、「ハルモニのお話を聞く」に重点を置き、ハルモニたちが渡日した理由は何で、その後どんな厳しい条件の中で今日まで暮らしてきたかを明らかにし、そのことを知った子どもたちがそのことをどのように受け止めたかを発表するという構成にしました。当日は、子どもたちが司会をし、7月20日の交流を再現するかたちで、ハルモニが短い「自分史」を語り、子どもの一人が自分の書いた感想文を読み、その後、ハルモニから教わった韓国語の歌「コヒャンエポム(故郷の春)」をみんなで歌って終わりにしました。
 この発表が、主催者側の要請に充分に応え得たものであったか否かの判断は置くとして、ハルモニたちにこのような機会を与えられた意味はたいへん大きかったと思います。

 2006年に入って、ハルモニたちは「花はんめ」上映会の席に、あるいは小学校の国際理解教育の場などに招かれて、「自分史」を少しずつ語るようになりました。その活動に関わり、この間、ハルモニたちが誠実に「語る」という行為に向き合っていくことによって変貌していくさまに接し、多くのことを教えられています。
 もちろん、これまで人前で自分のことなど話した経験のないハルモニたちは、緊張して想うことの半分も話せないと嘆き、ある人は本番になると練習のときの内容とは全く違って、「苦労は親がしたことで私らはたいしたこともなかった」「別にいじめられたこともなくて今は幸せにしてます」という内容になったりして、「あらら」と思うこともありました。苦労の話などいまさら他人様に聞かせることもない、貧乏話など恥ずかしいと思ってのことであるのはよく分かるので驚くことはありませんが。
 そんなハルモニたちが、回を重ねるごとに、話しかたにも自信がでてき、内容も変えて話すようになったのです。「苦労は親の世代」と言っていた人が、次には「苦労したことを思い出すのはつらくて」になり、さらにその次には自分の本当につらかった部分に触れて話すというように変わっていったのです。長い人生のどの場面を語るか、場面の選択や変更を考えるハルモニもでてきました。
 こうした変化を彼女たちにもたらした力はなんであるか。それは、一にも二にも聞き手の耳の傾け方であり、受け止め方なのです。どこの場でもハルモニたちは、「私のこんなつまらない話を真剣に聞いてくれた」「こんな話でもよかったみたい」という満足感を与えられ、つらくても真実を掘り下げて話すことがどれほど人の心に響くかを肌で感じているのです。なんでも自由に手に入り、苦労など知らないと思った小学生までもが、しっかり自分たちの話を受け止めていると分かる感想文を寄せてくれると、一層その気持は強くなります。
 全体会で自分の感想文を読んだ桜小の子どもは、「私は障害者です。それだけのことでキモイと言われます。でもハルモニたちがひどい差別を受けたという話を聞いて励まされました」と臆することなく、しっかりした態度でした。彼女はハルモニから力をもらったといい、ハルモニたちはこんなに強い子もいるんだと感心するのです。
 「語り継ぐ」という作業は、語る者と聞く者との共同作業であり、もっといえば聞き手の力にこそ負うところが多いと、『平和は“退屈”ですか〜元ひめゆり学徒と若者たちの500日』(下嶋哲朗)に繰り返し述べられていますが、実感です。
 やっと語り始めたハルモニたち。まずは、彼女たちの心に眠っている様々な想いを引き出すためには、聞き手である私たちが、彼女たちの背負っている歴史や現実について多く学び、そのことを自らの心に取り込みながらハルモニたちと向き合う必要があると気づかされています。
 ハルモニたちから発せられるメッセージはまだまだたくさんあります。
また、そのことをみなさんと共有したいと思います。

 最後に、全外教の場で、神奈川県下に住む中学、高校世代の外国からの若者たちが提示した教育の問題は、知らない・知らなかったではすまされない問題ばかりであってことを、報告します。(レポーター 鈴木 宏子さん)
(第2号)


9月20日(水)、9/18の敬老の日にちなんで敬老トラヂ会が開かれました。ハルモニたち80人、ボランティアなどを入れると計100人が参加と、大盛況だったそうです。参加した2人に、レポートをお願いしました。
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敬老会の日、私は早めに会場についたのですが10時過ぎの時点でチョゴリを着ているハルモニがちらほら!!先月から楽しみにしていただけあって、チョゴリを準備してきたり、頭にお花をつけたりしてハルモニたちは楽しそうにお洒落をしていました。「あんた、結婚でもするの?」と後から来たハルモニから冗談を言われたり、私も着たい!と即席で着替える方もいらっしゃいました。鮮やかなチョゴリに負けないくらい、ハルモニたちの笑顔が輝いていたことが印象に残っています。11時から始まった午前のプログラムでは、フラダンスや民族舞踊など普段のトラヂ会で練習しているものの他に、敬老会のために練習した歌や踊りが披露されました。年齢や住んでいる場所も様々なハルモニたちが集い、そしてみんなで敬老の日を祝う場の存在が、元気でいる秘訣だと感じました。私は、たくさんのハルモニたちから元気をいただきました。来年も再来年も、ハルモニたちが元気に歌って踊っていることを祈ります。(レポーター@ 寺辻英恵さん)
***
私は今回が敬老の日を祝う会だと知らず,普段お昼から参加しているので,いつものつもりで昼から参加しました.いつもよりずっと賑やかな昼食に居合わせ,じつは午前中にいろいろなプログラムがあったことを知ってたいへん残念に思いました.
お昼が終わってホールに移ると,ホールの椅子もソファも満員で,初めてお顔を拝見するハルモニも大勢いらっしゃいました.じき101歳になられるハルモニもいらして,実に1世紀を生きたお年であるのに,お元気なことに普通に歩いておられ,マイクを通して挨拶もなさいました.
今回は車椅子のハルモニたちも参加なさいました.日本人の高齢者は車椅子になってしまうと心まで萎えてしまうという印象がありましたが,ハルモニたちは歌ったり,踊りに合わせて手を動かしたり,楽しもうとするパワーを感じました.
 皆さんが帰り始める頃合になり,送ってもらうのを待っている車椅子のハルモニと少し話をしました.彼女はおそらく何かの後遺症で,会話は不自由にしておられましたが,何かのきっかけで故郷の歌を歌い始めました.すると歌詞がどんどん明瞭になり,声が大きくなるのです.そのご様子が,全身で故郷を懐かしんでおられるように感じられ,あらためてハルモニたちの生きた時代に思いをはせました.(レポーターA 服部あさこさん)
(第3号)


□■□ みんなの声 □■□

<トラヂ会訪問記>*
今回私は川崎にある「トラジの会」に行ってきました。「トラジの会」というのは在日韓国人の1世、2世の方々の交流のために設立されたケアプラザ的存在のものです。「トラジの会」の皆さんは、とても元気でパワフルでフレンドリーな方たちでした。
在日の方と触れ合ったり話したりするのは初めてで、はじめは戸惑ってしまいましたが、一緒に話したり韓国の踊りを踊ったり栄養満点なカレーを食べたりしているうちに気がついたら私も皆さんの中にすっかり溶け込んでいました。一日があっという間に過ぎてしまいました。ぜひまた「トラジの会」へ行き、皆さんと一緒に過ごしたいです。(横浜清陵総合高校3年 近藤麻衣さん)
*春休みにトラヂの会を訪れた高校生によせていただいた感想文です。
(第1号)


<トラヂ会訪問記>*
「トラジの会」に初めて行って私は圧倒されました。自分が人見知りであったり身近にお年寄りがいないということもありますが、「トラジの会」の利用者の方全員が元気で生き生きしていたからです。初めて参加した私でも温かく歓迎してもらえ、利用者の方から声をかけてもらい、すぐに打ち解けることが出来ました。参加して私はたくさんの元気をもらえたので、これからもたくさんの人に参加してもらい、明るく元気になってほしいです。(横浜清陵総合高校3年  畠山紫さん)
(第4号)

            
□■□ 資料館ニュース □■□
 
<川崎在日コリアン生活文化資料館 資料拡充!>
9月に、資料館サイトのバージョンアップをしました。今回のポイントは資料検索システムの導入です。利用方法は2通りあります。
資料館サイト ホーム http://www.halmoni-haraboji.net/ から...

利用方法@
「総合展示案内」の「資料分類」をクリック→18の「大分類」から各項目の画像資料が見られます。

大分類: 昔の地域地図 | 徴用 | 戦中・敗戦直後 | 外国人登録 | 70-80年代池上町 | 生活の歴史 | トラジの会 | 教育 | 一世の証言| ふるさと | 在日高齢者 | ふるさとの伝統 | 地域活動 | 旅行会 | 自筆作文 | 記録写真 |山田氏調査 | AV資料

利用方法A
「総合展示案内」の「資料検索 」をクリック→検索画面でフリーキーワードを入力すると、該当資料をはじき出します。複数欄に入力すると絞り込み検索ができます。
(例:キーワード欄に「キムチ」と入力すると7件がヒットし、さらに下にキーワード「白菜」を追加すると1件ヒット)

「昔の地域地図」などのpdfファイル資料はズームインして見られます。
資料整理はいま途上にあり、これからどんどん拡充・整理します。
アクセスしてみてください。ご意見・ご感想は、ぜひ管理人まで!
(第3号)


<映画「花はんめ」の金聖雄監督からのメッセージ>

メッセージの主眼である東京上映はすでに終わってしまいましたが(後手になってすみません・・・)、次回の上映会に向けて、ここに掲載します。次はいつ、どこで? 最新情報を入手された方は、メルマガ管理人までどうぞお知らせください。

―――――☆メッセージはじまり☆―――――
☆「花はんめ」久しぶりの東京上映 メール大作戦!☆

「ロック踊って、水着でプール!?」
86歳の青春ドキュメンタリー <花はんめ>
http://www.hanahanme.com/

2004〜6年、ドキュメンタリー界に旋風を巻き起こした
あの「花はんめ」が久しぶりに東京で上映される。
12/6(水)、7(木)、8(金) と限定 3日間。

何か歳末のセールのような感じもするが、
とにかく一度、二度観た人も見逃している人も
是非会場の渋谷アップリンクに駆けつけてほしい。

日  時:12/6(水)、7(木)、8 (金) <3日間とも17:00より>

会  場:アップリンク http://www.uplink.co.jp
    〒150-0042 渋谷区宇田川町37-18 トツネビル 2階

料  金:当日 \1,300 / 前売り \1,200
/ 割引(学生・シニア)\1,000

問合せ:アップリンク
TEL:03-6821-6821/メールinfo@uplink.co.jp
地  図:http://www.uplink.co.jp/info/map.html


…本当の事を言うと完成以来、会場に足を運んでもらう事の大変さに
苦労した2年だった。
観てもらいさえすれば、何かを感じてもらえる自信はあるのだが…。

そこで心ある友たちよ。(勝手いいます)今一度、是非みなさんの力を
借り、会場を満員にしておおいに笑いの絶えない上映会になるよう協力
お願い出来ないだろうか。

ひとつ目のお願い。
このメールをかつて流行った、幸せ(不幸)の手紙のように
3日以内に(もちろん出来る時でけっこうですが)3人以上に送る。
ふたつ目は、劇場に友達を無理矢理でも連れてくる。

連日私は劇場に行ってます。映画の後は一杯やりましょう。

      「花はんめ」監督 金聖雄
―――――☆メッセージおわり☆―――――
(第5号)


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