メルマガ第3号

2009 年 6 月 24 日 admin

川崎在日コリアン生活文化資料館メルマガ第3号
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

 川崎在日コリアン生活文化資料館 メールマガジン 第3号
 2006年10月3日(火) 発行:資料館運営委員会メルマガ担当

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
「川崎在日コリアン生活文化資料館」が2006年4月に開設されました。資料館の主役であるハルモニやハラボヂたちと、資料館をオンラインで訪れる人、資料館づくりを支える人びととをつなぐコミュニケーションの手段として、メールマガジンを発行することにしました。
《第3号内容》
 1.お知らせ
     「川崎在日コリアン生活文化資料館」資料拡充!

 2.ハルモニ、ハラボヂの近況と交流レポート
   敬老トラヂ会
 3.ふれあい館高齢者事業行事案内
   ・11/22~24日 ハルモニ、ハラボヂと行く沖縄の旅
   ・沖縄の旅 事前研修
 4.みんなの声
   在日高齢者夏の集中聞き書き参加者の感想文 その3 
□■□ 1.川崎在日コリアン生活文化資料館 資料拡充!□■□
 
9月に、資料館サイトのバージョンアップをしました。今回のポイントは資料検索システムの導入です。利用方法は2通りあります。
資料館サイト ホーム http://www.halmoni-haraboji.net/ から…

利用方法①「総合展示案内」の「資料分類」をクリック→
     18の「大分類」から各項目の画像資料が見られます。

大分類: 昔の地域地図 | 徴用 | 戦中・敗戦直後 | 外国人登録 |
70-80年代池上町 | 生活の歴史 | トラジの会 | 教育 | 一世の証言|
ふるさと | 在日高齢者 | ふるさとの伝統 | 地域活動 | 旅行会 | 自筆
作文 | 記録写真 |山田氏調査 | AV資料  
利用方法②「総合展示案内」の「資料検索 」をクリック→
     検索画面でフリーキーワードを入力すると、該当資料をはじき
     出します。複数欄に入力すると絞り込み検索ができます。
     (例:キーワード欄に「キムチ」と入力すると7件がヒットし、
      さらに下にキーワード「白菜」を追加すると1件ヒット)

「昔の地域地図」などのpdfファイル資料はズームインして見られます。
資料整理はいま途上にあり、これからどんどん拡充・整理します。
アクセスしてみてください。ご意見・ご感想は、ぜひ管理人まで!
□■□ 2.ハルモニ、ハラボヂの近況と交流レポート □■□

9月20日(水)、9/18の敬老の日にちなんで敬老トラヂ会が開かれました。ハルモニたち80人、ボランティアなどを入れると計100人が参加と、大盛況だったそうです。参加した2人に、レポートをお願いしました。

***
敬老会の日、私は早めに会場についたのですが10時過ぎの時点でチョゴリを着ているハルモニがちらほら!!先月から楽しみにしていただけあって、チョゴリを準備してきたり、頭にお花をつけたりしてハルモニたちは楽しそうにお洒落をしていました。「あんた、結婚でもするの?」と後から来たハルモニから冗談を言われたり、私も着たい!と即席で着替える方もいらっしゃいました。鮮やかなチョゴリに負けないくらい、ハルモニたちの笑顔が輝いていたことが印象に残っています。11時から始まった午前のプログラムでは、フラダンスや民族舞踊など普段のトラヂ会で練習しているものの他に、敬老会のために練習した歌や踊りが披露されました。年齢や住んでいる場所も様々なハルモニたちが集い、そしてみんなで敬老の日を祝う場の存在が、元気でいる秘訣だと感じました。私は、たくさんのハルモニたちから元気をいただきました。来年も再来年も、ハルモニたちが元気に歌って踊っていることを祈ります。             <レポーター① 寺辻英恵さん>

私は今回が敬老の日を祝う会だと知らず,普段お昼から参加しているので,いつものつもりで昼から参加しました.いつもよりずっと賑やかな昼食に居合わせ,じつは午前中にいろいろなプログラムがあったことを知ってたいへん残念に思いました. お昼が終わってホールに移ると,ホールの椅子もソファも満員で,初めてお顔を拝見するハルモニも大勢いらっしゃいました.じき101歳になられるハルモニもいらして,実に1世紀を生きたお年であるのに,お元気なことに普通に歩いておられ,マイクを通して挨拶もなさいました.今回は車椅子のハルモニたちも参加なさいました.日本人の高齢者は車椅子になってしまうと心まで萎えてしまうという印象がありましたが,ハルモニたちは歌ったり,踊りに合わせて手を動かしたり,楽しもうとするパワーを感じました. 皆さんが帰り始める頃合になり,送ってもらうのを待っている車椅子のハルモニと少し話をしました.彼女はおそらく何かの後遺症で,会話は不自由にしておられましたが,何かのきっかけで故郷の歌を歌い始めました.すると歌詞がどんどん明瞭になり,声が大きくなるのです.そのご様子が,全身で故郷を懐かしんでおられるように感じられ,あらためてハルモニたちの生きた時代に思いをはせました.
                 <レポーター② 服部あさこさん>                        
□■□ 2.ふれあい館高齢者事業の行事案内 □■□

○ハルモニと行く沖縄の旅 11/22~24

日本の中で唯一「地上戦」の戦地となった沖縄。地元民間人に大きな犠牲がでて、戦争の本質が具体的な戦争体験の語りによって明らかにされています。沖縄の高齢者と在日コリアンが戦争体験を結節点に交流する、沖縄の旅に参加する人を募集中です。(もちろん、旅行の機会が少ない在日コリアン高齢者との交流の旅、 まだまだ泳げるし、料理もうまいぞ!思いっきり沖縄を体験したい! ということも、大きな目的です)
<日程>
11月22日(水)那覇周辺観光、読谷の高齢者と戦争体験交流、夕食
  23日(金)読谷周辺戦争遺跡へ(象のおり、特攻艇秘匿壕 他)
  24日(金)観光

<旅費> すべて込みで60,000円 残波岬ロイヤルホテル泊

<申込み>
先着40名。ふれあい館・三浦まで、メール(miura@seikyu-sha.com
かFAXにて、住所、名前、年齢、性別をお知らせください。
締め切りは10月15日です。
(主催 かわさきのハルモニ、ハラボヂと結ぶ2000人ネットワーク)
○ハルモニと行く沖縄の旅 事前研修

参加費無料 3回 水曜の午後7時~9時
(旅行に参加しなくても、事前研修だけの参加も可能です)

10月18日 沖縄の歴史を振りかえる
  25日 読谷のドキュメンタリー映画「ゆんたんざ沖縄」上映
11月1日? 米軍-自衛隊-極東戦略の再編強化の現実について
(日程は一部調整中です。決定しだい下のURLでお知らせします) 

そのほかの高齢者事業は下記URLをごらんください▽
http://www.seikyu-sha.com/fureaikan/kandayori/200609/fureaikan-yotei09.htm
(近日更新予定)
□■□ 3.みんなの声 □■□
     
○8月4日-5日の在日高齢者夏の集中聞き書き参加者からの感想文

その1
                         さるはしじゅんこさん
私たちのグループは、高校生1人、大学生2人、子育て奮闘中の私と、世代で言うと10代、20代、30代の4人で、その翌日(8月6日)に80歳を迎えるハルモニを囲んでのひとときとなりました。「戦争」をひとつのキーワードとしながらも、「戦争を思い出すことって、つらいんじゃないかな」という聞き手側の不安もありました。でも「分からない事を、分からないって、ありのままに聞いてみよう」という事だけ、みんなで確認をして、お話は始まりました。 戦時下の生活は、私たちの想像の範囲を超えているようにも思いました。目で見、体で体験した事を丁寧に説明して下さりながら、なお、とんちんかんな質問を繰り返す私達に、ハルモニは「あの時代に今みたいなカメラがあったらね。パチっと撮って、「ほら、これだよ!」って見せてあげられるのにね」とクスリと笑いながらおっしゃいました。男性とおしゃべりを楽しむこともなく、親が決めた人のもとへ嫁がなければならなかったハルモニ。医療が届かず、二人のお子さんをはしかで亡くされたハルモニ。それでも、食べるものも着るものも無かったけれど、昔の人は情があったとハルモニは言います。ご飯を炊くためのマッチも、空腹を満たすためのお米も、あればお互いに貸し借りが出来た。明日は何をするかを、いつでも軒先で相談するご近所づきあいが、今はもうない、と寂しそうに振り返っていらっしゃいました。私たちの生活は、食べるものも着るものも豊富で、恋愛もおしゃれも自由です。数日前にテレビ報道された、出会い系サイトを通じて知り合った男女の監禁事件に触れながら、私たちと同世代のお孫さんと一緒に暮らすハルモニは、「今は怖い人がいるからね、気をつけなくちゃいけないよ」と何度も諭されました。そして、最後に、ぽつりとこうつぶやきました。「今は、それが戦争じゃない?」 テレビの話が出たので、「昔はテレビなかったんですよねぇ?」と、また私は突飛な質問をしてしまいました。「ない、ない、ない!」思わず笑うハルモニに、「今のテレビにあたるものって、昔は何だったんでしょうか?」と苦し紛れに質問をつなぎました。少しの間、考えてから「兵隊さんを送り出す時にね、みんなで集まって千人針っていうのをするの。しょっちゅう行ったんだけれども、それがそうかなぁ・・・。」 テレビと千人針!?千人針は日本史の教科書でも出てきたし、映画にもよく出てきます。博物館で実物を見たこともあります。あるいは、千人針で兵を送り出し、戦死されたご遺族の方からしたら、「なんて不謹慎な!」とお怒りの声があがるかもしれません。ですが、当事者にとっては一生の一大事でありながら、どこか周りの人には常態化され、深く考えずに何となくそういうものかなぁと受け入れてしまう様は、あるいは現代のマスメディア報道に共通していると言えるのかもしれません。千人針をめぐって、「どこかで加担したのではないか?」という戦争責任を問う、かつて読んだ本の中の一説が、ふいにリアルによみがえった瞬間でした。
 こうして振り返ってみても、多くの事を学んだというよりは、より大きな問いを突きつけられたというのが正直な感想です。ひとつだけ確かな事は、2日間のお話を通して、私たちひとりひとりが、自分のおばあちゃんとの関係を改めて捉えなおすことが出来たということです。聞き役だった私たちが、それぞれ、自分と自分のおばあちゃんとの関係を語り始めていました。そして、私も、この夏、久しぶりに子どもを連れて祖母の家を訪れました。戦争体験を聞くことは出来なかったけれども、祖母はとっても嬉しそうでした。こんな小さな心がけが祖母をこんなに喜ばせるなんて、ハルモニのお話を聞くまで、気付きませんでした。何となく後回しにしていました。
 こんな小さな一歩ですが、大きな歩みにつなげて行きたいと思っています。これで、というよりは、これからどうするのかが重要で、それを今回出会った皆さんで、世代や性別、国籍を超えて、一緒に考えて行きたいです。どうぞ、これからもよろしくお願いいたします。

その2 <聞き取りを行って>
                         黒川真理子さん
自分と違う時代を生き、在日コリアンという違った立場で語ってくれたハルモニのお話しを夢中になって聞いていました。自らを戦争犠牲者と語り、つらい人生を送ったものの、誰を恨むわけではなく精一杯生きてきたそのたくましさには尊敬の念を抱きました。そして、戦争の時に見せた険しい顔と違って、ばりばり働いて生きていくことだけに無我夢中であった日々を語るハルモニの顔はとても輝いていました。女だから誰かに頼るのではなく自分自身が稼ぐことが当たり前という感じで、そのパワフルさには圧倒されました。今の時代では楽をしているというか、楽に逃げている人が多いなと感じています。それは日本が戦後豊かになったことが関係していると思います。今回のハルモニのお話では、物質的や経済的な豊かさは無かったものの、日本で家族と一生懸命生きてきたという充実した人生を送っているようにも聞こえました。 「戦争はやっちゃいけない」、ハルモニは何度もそうおっしゃっていました。家も家族もばらばらになってしまって、混乱した時代を私たち学生は想像もつきません。だからこそ戦争の恐ろしさを知っている方にお話を聞ける機会というのはとても貴重だったと思います。戦争は大切なものを多く失ってしまいます。皆そのことはわかっているものの起こってしまうのが戦争です。だからこそ、戦争を経験した人が体験を語り継ぐことで少しでも戦争を起こさない社会になることを願っています。 今回は一人のハルモニにお話を伺ったのですが、ハルモニ達は一人一人違ったエピソードを持っていることでしょう。しかし、その中で共通して持っているものが逆境に負けない強さだと思っています。そんな強さをお話の節々に感じることができ、私もこれからの人生もっと強く生きなければと思わせてくれる良い機会となりました。
その3
                             金井美里さん
◆ 事前調査にて
普段授業で学んでいたような深刻な問題をイメージしながら事前調査に参加した。そのイメージ通りのことが現場で目の当たりにできると思っていたが、表面には見えてこなかった。三浦さんから歴史を伺いながら色々な施設や地域を回ったが、当時の様子は想像できなかった。それだけ、今までの自分の勉強が浅いものだったということを実感した。まずは、当時の歴史を分かっていないことから聞いたことのない言葉をたくさん耳にした。その一つに『濁酒(どぶろく)』がある。濁酒がお酒であることもわからなかったため、それ自体も想像できず、なんで摘発されたのか疑問だった。今になれば、お酒だから税金も絡んでくるし、勝手に製造し販売してはならないとわかるのだが、『ドブロクとは危険なものなのか?朝鮮人だから摘発されるのか?』などと、ちんぷんかんぷんだった。また、小学校で『京浜工業地帯』のことを学んだ記憶があるが、そんなに歴史が古いものだと知らなかった。埋め立て地で工業が盛んな地域であり、港で貿易を行っているということしか記憶にない。どちらかというと、現代の日本で貿易が盛んな地域で住民はあまりいない地域といった都会の一角的な印象しかない。誰がその埋め立て地を建設し、誰がその工場で働いていたのかということまで学校では習わない。自分の勉強不足でもあるが、大学で追究しなければ知識にはないというようなことではいけないと思う。自分がこのボランティアに参加したことで、川崎の歴史を触れることができたが、やはりこういった歴史や背景というものは義務教育の中で知っていく必要があると感じた。歴史の教科書を読んでいても、ただ暗記しなくてはならないものといった感じがして、何のために歴史を学ばなければならないのかという意味もわからず勉強させられているように思える。逆に、このフィールドワークはそういった教科書や本にあまり掲載されていない『歴史』というものを人間の生活の歴史や文化を交えながら体験していくから、今まで学んできた歴史の知識が意味のあるものだったということがここにきてやっとわかる。言い換えれば、フィールドワークを行わずに本から勝手にイメージして学んでいるだけでは無知の部分がたくさんあり、知に対しての欲求が深まらないと思う。『なるほど!川崎病とはこれが原因だったんだ。』などと、自分が持っている知識と新しい知が結びついたときに知の欲求がさらに深まる。そんなことから、もっと歴史を知りたいという気持ちと、日本の教育に対して改善したい気持ちがより深まった。また、猿橋先生の指導による『聞き取り調査の仕方』で、初対面の人と話をする練習はやっておいて良かったと思う。初対面の人と違和感なく話を進め、その人のプライベートを聞き出し、気持ちの距離を縮めていくことはそう簡単なことではない。相手にどう思われているか気になったり、相手に対して失礼なことを尋ねていないだろうかと不安になったりして、どうしても当たり障りのない表面的な会話になってしまう。それを聞き取り調査の事前に実感することができたから、当日はコミュニケーションの仕方についての余計な心配は特にはなかった。聞き取り調査といっても、メモばかりとるような一方的なコミュニケーションではないということを事前に理解しておいたことは大きい。
◆ お話を伺っての感想
私がお話を伺ったのは、今年80才を迎えるK・Iさんというおばあちゃんだった。初日、美人で大人しそうな人だと思ったので、会話を弾ませるのが難しかった。トラジの会のおばあちゃんたちは『踊りを踊ったりしてとても元気いっぱい』と聞いていたから、そのイメージが強くてそのギャップに戸惑った。自分からあれこれ話してくれる人ではなく、こちら側から質問をしないとあまり話してくれなかったから何を質問したらよいのだろうかと戸惑った。それだけ、自分が相手任せにしてこの調査に取り組んでしまっていたのだと思う。『相手がしゃべってくれるだろう。』といったような甘えがあったから、『あれを聞いてみたい』といったものも特になく、自分たちが尋ねていることは妥当なのだろうかと不安になってしまった。他のグループは順調に進んでいるように思えた。一緒のグループになった大師高校の教諭、島本篤エルネストさんにほとんどの質問をまかせきりにしてしまった。それにも関わらず、島本先生が質問されていることは、今回のボランティアのテーマに合っているのだろうかと疑問を感じてしまった。どうしても、苦労したことなど、難しい問題を頭にイメージしていた私は、ただ単に『プライバシーを探っているだけ』のようにしか思えなかった。金さんが『病気をしました。』と言ったら、『それはどんな病気だったんですか?』と病名まで聞くことに対し、『そこまで聞く必要があるのだろうか?』と、私としてはあまり気が進まなかった。在日のおばあちゃんの聞き書き調査であるから、少し脱線しているような気がしてしまったのだ。在日のおばあちゃんならではのことを聞かなくてはならないような使命感が強かった。途中休憩の時に、他の元気の良いおばあちゃんと話をしている様子を見ていて、『私は何にも話すことなんてないのに…。』という言葉を発していたし、そのおばあちゃんと話している雰囲気と自分たちと話している雰囲気は異なるものだったから、『自分たちのことをどう思っているのだろうか?心を開いてくれてないのかもしれない。』と益々不安になった。しかし、帰宅してもう一度今回の聞き書き調査の目的について書かれたプリントを読んでみたら、自分たちがやっていたことは決して間違いではないと思った。むしろ、それで良かったんだと思えた。なぜならば、『おばあちゃんたちは日本語の読み書きが出来ないから、自分の人生を思い出しながら文字という記録に残して色々な人に伝えることができない。だから、今回わたしたちがこうやってその記録のお手伝いに来ているんだ。』と再確認できたからだ。それを行うには、やはりその人のプライバシーに関わることまで知らなくては書けないのかもしれない。それに気づくまでの私は、自分のことしか考えていなかったのである。『在日のおばあちゃんたちが日本で辛い人生を送ってきたことを知りたい。』といったように、自分の研究に焦点を当てた意識でボランティアに参加してしまっていたのだ。言い換えればボランティアという名の研究を行おうとしていたのだ。確かに、このボランティアがきっかけで自分研究に繋げていくということは悪いことではない。しかし、今回はやはりあくまでも第一におばあちゃんたちのことを考えなくてはならなかったのだと思う。果たして、私のようなミスを犯しそうだったのは私だけだろうか。もしかしたら私以外にも『ゼミの一環だから。』といったような意識から難しく考えてしまって、本来の目的を忘れてしまっていた人がいるのではないだろうかと思う。実際にお話を聞いてみて、『日本で辛い目に遭った。差別された。』などというようなことは耳にしなかったから、余計に『一人のおばあちゃんの話を聞いている。』といったような印象を受けた。『私は大変だった。』というような言葉を聞いていたら、『やっぱり教科書や本通りの生活だったんだ。』と他人事のように感じていたと思う。逆に、そういう言葉を聞かなかったから『一人の女性の人生』を歴史を交えながら聞くことができたのかもしれないし、『自分がその時代に生まれ、その立場だったら…。』と、人ごとではなく聞き入ることができたのだと思う。やはり、お話を振り返ってみるとその時代を必死で生きてきたということを実感させられる。大事な家族の一人である弟が朝鮮戦争で亡くなったこと、女性は勉強など必要ないと学校には行かせてもらえなかったこと、17歳という若さで結婚のために日本に連れてこられたこと、日本名で○○*と名乗っていたこと、東京大空襲で八王子に疎開したこと、バラック小屋で生活したこと、夫が病気で体が弱く、子育てをしながら一日225円の日雇いの草むしりの仕事をしたこと、妊娠中に福島や青森まで米の買い出しに行って2度も流産してしまったり警察に捕まったりしたこと、駅前の区画整理でお店が小さくなってしまったこと、釜山からきた夫の弟の親代わりになって学校に通わせたこと、20年くらい前に韓国を訪れたら両親は既に他界していたこと、18年くらい前に娘が交通事故で亡くなったこと、15年ほど前に子宮癌になったこと、10年くらい前に保証人になって借金の肩代わりをしたこと…。これらを聞いていると、『大変だった。』と口にしなくても、実際はすさまじい人生だったと思うし、またそういう辛いことを乗り越えた人は何度でも立ち直ろうと頑張るし、すごく心の優しい人になると思った。二日目から特に、『いいことはあんまりなかった。』と、徐々に自分人生を振り返りながら本音で話してくださったことが何よりうれしかった。今年の2月に祖父を亡くしたばかりだから、歳の近い金さんの話を聞くときに思わず涙が出てしまった。その時代を生きた人たちの声を生で聞いて心で感じたいと思った。最近は、これを期に日本人が行ってきたことや朝鮮人が日本でどんな生活を送ってきたのかなど、歴史の知識不足ながらもテレビや新聞などを通して興味を持つようになった。サハリンで働いていた朝鮮人の人たちの歴史も知りたいし、世界の戦争などの歴史も勉強していきたいと思った。自分自身はおばあちゃんのお話を聞くことしかできなくて何もしてあげられなかったけど、話していただいた貴重なお話をこれからどうに生かしていくかが大事なのだと思っている。
*語り手の個人名はイニシャルなどに加工しました(メルマガ管理人)。

◇聞き書きに参加されたみなさんの感想文の紹介は次号まで続きます。
□■管理人より■□ 
バージョンアップしたばかりの川崎在日コリアン生活文化館ですが、今後も時間をかけて、多くの人の力を合わせて、ますますよいものにパワーアップさせていくことになります。乞うご期待&参加してみませんか!資料館サイト充実のため、ご意見メールや情報提供をお待ちします。お送りいただく文面・お名前をメルマガ上で公開してほしくない場合は、その旨明記してください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 川崎在日コリアン生活文化館メールマガジンは、メルマガ購読登録さ
れた方にお送りしています。
 万一間違えて届いてしまった場合や登録を解除したい方は、お手数
ですが下記サイトから解除をされるか、直接管理人へご連絡ください。
http://www.halmoni-haraboji.net/mailmagazine/halmag.html
 投稿およびメルマガに関するお問い合わせ、情報提供は管理人
mag-admin@halmoni-haraboji.net)までお願いします。メールマガジ
ンについてのご意見ご要望も随時受け付けております。

◎発行者 川崎在日コリアン生活文化館メルマガ担当(管理人 橋本)
 〒210-0833 川崎市川崎区桜本1-5-6
 川崎市ふれあい館   ℡044-276-4800 fax044-287-2045

カテゴリー: 6 メルマガ バックナンバー タグ:
コメントは受け付けていません。