メルマガ第23号

2009 年 9 月 8 日 edt01sz

川崎在日コリアン生活文化資料館メルマガ第23号
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

 川崎在日コリアン生活文化資料館 メールマガジン 第23号
 2009年6月4日(木) 資料館運営委員会メルマガ担当発行

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
2006年4月、「川崎在日コリアン生活文化資料館」が開設されました。これにともない、資料館の主役であるハルモニやハラボヂたちと、資料館をオンラインで訪れる人、資料館づくりを支える人びとをつなぐコミュニケーションの手段として、メールマガジンを発行しています。

《第23号内容》
1.資料館サイト ただいまリニューアル中
     
2.ウリハッキョ通信
     ・コンナムルパップの巻
3.世代間交流レポート
  ・ハルモ二が韓国料理の講師! 
4.平和と歴史を考える博物館めぐり
     ・渡来人歴史館

 

□■□ 資料館サイト ただいまリニューアル作業中 □■□

サイトをご覧になった方はお気づきと思いますが、現在かなり大幅に模様替え中です。完成したらメルマガを通じてご案内いたします。2008年度の活動記録の追加やハングルページ、ブログコーナーが新設される予定です。

改装中でもご覧になりたい方は下記URLをクリックすると見られます。キムチやドブロク造りの甕の画面の「上」に資料館入り口があります。
http://www.halmoni-haraboji.net/


□■□ ウリハッキョ通信 □■□

《コンナムルパップいただきました!》
              ウリハッキョ共同学習者 岡野久美子さん

火曜日のウリハッキョ(識字学級)の日、教室に入っていくと、若手のハルモニが数人、炊事場でなにかをしています。「なに作っているんですか?」「コンナムルパップよ」「うれしい!一度食べてみたかったの」少し前に、私はコンナムルパップという料理があることを聞いていたのです。コンナムルとは韓国語で豆モヤシ、パップはご飯、つまり豆モヤシのご飯です。「手伝いましょうか?」「いいの。もう終わりだから」すでに豆モヤシが、大きなザルいっぱいに洗ってありました。研いだ米も炊飯器に入れるところでした。そしていつものように、識字の勉強が始まりました。その日の学習は、次週の作文発表に向けて、各自が文章を直したり、読み合わせをするものでした。ウリハッキョでは、字を覚えるため、テーマを決めて、各自が自由な発想で作文を書いています。毎月だいたい最初の週に作文を書き、次の週に校正をし、三週目に発表、四週目は気分を変えて、絵を描くのです。ご飯の炊きあがる頃、再びハルモニが立ち上がりました。いよいよコンナムルパップの準備です。これがごく簡単で、ご飯の上にゆでたモヤシをのせるだけでした。それに具だくさんの味噌汁を添え、食事の始まりです。ハルモニが私に食べ方を教えてくれました。「ヤンニョムをかけ、混ぜて食べるのよ」ヤンニョムとは醤油にごま油、唐辛子などを入れた調味料です。箸とスプーンでよく混ぜ、スプーンで口に運びました。日本ではご飯を箸で食べますが、韓国ではスプーンなのです。「おいしーい」しゃきしゃきした豆モヤシとご飯、想像もつかない味でしたが、なんともおいしいのです。さっぱりしているのに濃厚で、かめばかむほど、豆モヤシの滋味が感じられます。韓国料理といえば焼肉を思い浮かべますが、実は野菜料理が主で、国民一人当たりの野菜消費量が世界一だと聞いたことがあります。コンナムルパップも野菜だけの庶民の味で、レストランではなく、家庭で食べられる料理だそうです。おもしろかったのはハルモニの反応でした。「みんなで集まるとき、簡単で経済的だから、コンナムルパップをよく作ったのよ」という人もいれば、「韓国から日本に来て以来、何十年ぶりに食べたよ」、「私は物心つく前に日本に来たから、初めて食べたわ」という人も。食べ物一つからでも、それぞれの暮らしが見えてくるような気がします。食べ終わると、とても胃がすっきりしていました。おいしくてヘルシーなコンナムルパップ、これから是非、自分のレパートリーに加えようと思いました。

 

□■□ 世代間交流レポート □■□

ハルモ二が韓国料理の講師!         2009.5.31  鈴木宏子

トラヂ会に集うハルモニたちの有志が、2006年の初めから語り部(かたりべ)活動をするようになりました。しかし、これまでの厳しかった人生を人前で話すということは、ハルモニたちにとっては、簡単なことではありませんでした。

・まず、ハルモニたちは、これまでの生活の中で、大勢の人を前にして、話をするという経験が全くありませんでした。人前に立つだけで、胸がドキドキし、何をどう話していいのか分かりません。・それに加えて、ハルモニたちには、「学問もないうえに、貧乏暮らしだった、私らの話を聞いて何の役に立つんですか?」という想いがとても強くあります。

話しを聞いてくれる人たちの、「私たちは、日本の植民地化によって、朝鮮半島の人々が、どんなに理不尽な暮らしを余儀なくされたか、本や物語などで知識として知ることは出来ても、それでは、こころの奥深くに響かないのです。皆さんから、直にお話しを聞かせていただき、生の歴史から何を学ばなければならないか、自分の手で掴みたいのです。そして、何より、元気なみなさんの姿から、私たちもパワーをもらって、元気を出そうと思います」との言葉に後押しされて、少しずつ少しずつ話し始めました。熱心に耳を傾けて聞いてくれる人の心が、ハルモニたちの心と通じ合い、思い出すのも、ましてや口にするのはもっとつらい、差別と人権無視、その上貧乏の連続であった暮らしの断片を思わず語り始めるハルモニたち。聞く人の受け止める力が大きければ大きいほど、ハルモニたちは、つらくても真実を話すことによって、多くの人が心を動かされ、自らの心も徐々に解放されていくものだと実感できるようになりました。このようにして、これまで、年に12~3回くらいあちこちから声をかけていただき、ハルモニたちは、高齢になっての新しい出会いを楽しみに、語り部活動を続けてきました。

そこへ、今年になって、ハルモニたちに語り部のほかに韓国料理の講師という役割要請があり、ハルモニたちにとって新しい活躍の分野がひらけてきたのです。

◎第1回 (2009年1月17日)
 川崎市の登戸にある、中間支援組織NPO法人「ぐらすかわさき」から、ハルモニたちに本場のキムチの漬け方を教えてもらえないかとの打診がありました。
 当日までに白菜の塩漬けをしておいてもらい、ハルモニ4人で出かけました。参加者の中には、赤ちゃん連れのママさんが多く、にぎやかな料理教室でした。キムチのほかにチヂミも焼き、トック(餅)入りの簡単雑煮などもおまけについて、盛り上がりました。

◎第2回(2009年4月25日)
 東京都調布市にある、心を病む人の居場所・社会参加のスキルを練習できる場「クッキングハウス」から、“キムチ作りと韓国料理の昼食作りの会”をしたいので、ハルモニに料理の講師になってもらえないだろうかとの依頼があり、ハルモニ4人で出かけました。
 ここは、日常的に料理を作って食べることをしているグループなので、参加者の気働きも的確で、キムチのほかに、韓国の普段のおかず、数種をあっという間に完成させ、大ご馳走の昼食会となりました。

◎第3回(2009年5月8日)
 川崎市内の麻生台団地にある、居場所作り目指す「ほっとすぺーす麻生」から、“韓国料理を習おう”という企画を考えているので、韓国の日常的なおかずを教えに来てもらえないだろうかとの申し出がありました。 ハルモニ2人が出かけ、鯖と大根のピリ辛煮、チヂミ、わかめスープなどの簡単に作れておいしいおかずを作り、参加者みんなで賑やかな昼食会となりました。

 3ヶ所とも、参加者からは、本やテレビでキムチの漬け方、チヂミの作り方など見るけれど、今回、直接教わって、これからは気軽に韓国料理が出来そう!と、喜ばれました。
 そして、なによりもよかったのは、3ヶ所とも食事会の後、ハルモニたちがそれぞれの、自分史を語ったのですが、料理をいっしょに作ったあとは、お互いの間の垣根が低くなり、ハルモニは話し易い、聞くほうもいろいろ質問し易くなるという関係ができ、いい雰囲気で、話し合いが進められたということです。

 料理の講師ということなら、ハルモニたちは自分が長年やってきたことを伝えるのですから自信をもってやることが出来ます。聞き手も、料理を仲立ちにしながら、ハルモニの生活史に入って行けます。今回はからずも新しい形の語り部活動が生まれる場に立ち会うことができました。これから、もっともっとこういう機会が与えられ、ハルモ二がいきいき活躍し、自分史を臆することなく語れる場がふえていけばと思っています。              

 

□■□ 平和と近代史を考える博物館めぐり □■□

某博物館で美しいリーフレットを手にしたときからいつか行ってみたかった渡来人歴史館。京都出張の折、電車10分で念願が叶いました。同館は、「正確で客観的な東アジアの歴史」を社会に普及するため、在日二世の館長さんが私財を投じて開館されたそうで、近江渡来人倶楽部(2000年設立)の協力の下で運営されています。館長の情熱や協力者の誠意が感じられる施設や展示物なので、ぜひ確かめに行かれるとよいのですが、私がもっとも目を奪われたのは唐人をかたどった張子人形でした。私の地元福島県の伝統芸能と思っていたそれは、人の移動の連鎖が身近なところまで迫っていた歴史の事実の痕跡だったのです。大陸-大津-福島、江戸時代-現在が、つながって見えた気がしました。

□ミニ案内□
JR琵琶湖線「大津駅」南口より徒歩5分
名神高速大津ICより車で3分、国道1号線沿い
開館時間 10:00~17:00
休館日  毎週月曜、火曜日
入館料  大人・大学生:200円、高校生以下:無料

お問い合わせは
渡来人歴史館
 〒520-0051 滋賀県大津市梅林 2丁目4番6号
 Tel:077-525-3030  Fax:077-525-3450
 URL : http://www.t-rekisikan.com

 

□■管理人より■□ 

メルマガ発行の間隔があいてしまいましたが、資料館は健在です。内部でゆっくりとひそかに熟成を続けております(しかも賞味期限なし)。蔵出し=新装オープンまでどうか気長にお待ちください。資料館サイトの充実をめざしこのテーマに関心をもつ人の輪を広げるため、ご意見や情報提供をお待ちします。文面・お名前を公開してほしくない場合は、その旨明記してください。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
川崎在日コリアン生活文化館メールマガジンは、メルマガ購読登録された方にお送りしています。万一間違えて届いてしまった場合や登録を解除したい方は、お手数ですが下記サイトから解除をされるか、直接管理人へご連絡ください。
http://www.halmoni-haraboji.net/mailmagazine/halmag.html
投稿およびメルマガに関するお問い合わせ、情報提供は管理人
mag-admin@halmoni-haraboji.net)までお願いします。メールマガ
ジンについてのご意見ご要望も随時受け付けております。

◎発行者 川崎在日コリアン生活文化館メルマガ担当(管理人 橋本)
 〒210-0833 川崎市川崎区桜本1-5-6 ふれあい館 気付 
 http://www.halmoni-haraboji.net

カテゴリー: 6 メルマガ バックナンバー タグ:
コメントは受け付けていません。