炭鉱長屋での暮らし
(徐類順さんのお話)
私がいた静岡の銀山の長屋もこんなかんじ。道幅なんかも、ちょうどこんな感じだね。あの頃は、長屋はみんな助け合い。マッチもそうだし、お米もそう。お米がなくても借りる。お醤油がないと、ちょっと隣のうち行って「ちょっと、お醤油貸して~」なんてね。情があったね、人情が。静岡の銀山のところには温泉があった。そこで仕事が終わったら入ってね。ああいう長屋を見ると(その頃の記憶が)浮かんでくるね。
(金芳子さんのお話)
お風呂は共同だよ。一日が終わったら入りに行く。風呂からあがったら、お風呂のところに積んである薪を1個しょって帰るのが日課。なんでかって? 薪は家でご飯炊くのに使うじゃん。そのために持って帰ってくるの。いいんだよ。炭鉱のものは家のもの!うちらは汗かいて一日働いてんだから、親子で。